舞根地区 生物図鑑
スジエビ
塩性湿地のエビ
スジエビ
Palaemon paucidens De Haan, 1844
![](https://memorandum-00.work/moriumi-dev01/wp-content/uploads/2024/03/舞根で撮影:キタノスジエビ(仮称).jpg)
舞根のどこで見られるか
塩性湿地を含む西舞根川でもっとも多くみられるエビ(十脚類)
震災後の分布や生息の特徴
震災前から震災後の2019年頃までは河川内にのみ生息していたが、2019年以降に実施された湿地の改修工事によって、塩性湿地内にも生息するようになった。
一般的な特徴、生活史
スジエビは日本の淡水域を代表するエビの1種である。これまでスジエビには、一生を淡水域で過ごす陸封型と海と川を行き来する回遊型がいると推測されてきたが、その詳細は不明だった。西舞根川で行った調査の結果、多くの親個体は初夏に川を下って河口域で繁殖し、卵からふ化した幼生は一度海に流下した後、再び淡水域に遡上することが明らかとなった。この移動パターンは専門的には「降河回遊」と呼ばれるが、甲殻類では極めて珍しい。
![](https://memorandum-00.work/moriumi-dev01/wp-content/uploads/2024/03/スジエビ.jpg)
執筆者:千葉晋(東京農業大学 生物産業学部・教授)