舞根地区 自然環境MAP
Moune Nature Map
スジエビ
塩性湿地のエビ
Palaemon paucidens De Haan, 1844

舞根のどこで見られるか
西舞根川、塩性湿地
震災後の分布や生息の特徴
震災前から震災後の2019年頃までは河川内にのみ生息していたが、2019年以降に実施された湿地の改修工事によって、塩性湿地内にも生息するようになった。
コラム
スジエビは日本の淡水域を代表するエビの1種である。これまでスジエビには、一生を淡水域で過ごす陸封型と、海と川を行き来する回遊型がいると推測されてきたが、その詳細は不明だった。西舞根川で行った調査の結果、ほとんどの親個体は初夏に川を下って河口域で繁殖し、卵からふ化した幼生は一度海に流下した後、再び淡水域に遡上することが明らかとなった。この移動パターンは専門的には「降河回遊」と呼ばれるが、この回遊様式を取る甲殻類は、日本ではモクズガニ以外では知られていなかった。ただし、すべての個体が「降河回遊」を行うかどうかは明らかになっていない。
執筆者:千葉晋(東京農業大学 生物産業学部・教授)