アサリ - 森は海の恋人

舞根もうね地区 自然環境MAP

Moune Nature Map

アサリ

Ruditapes philippinarum (Adams & Reeve, 1850)  

(震災から1年後の2012年7月に干潟化した住宅跡地でアサリ調査をする子ども達) 

舞根のどこで見られるか 

西舞根湾奥の干潟 

震災後の分布や生息の特徴

西舞根湾の奥に広がる干潟は、古くからアサリがたくさん獲れる場所として知られていた。過去のデータがないため詳細は不明だが、かつては短時間で手押し車に一杯のアサリが漁獲できたそうである。その後、何らかの理由でアサリの量は減ったが、震災が起きた2011年の夏には一時的にアサリの大発生が起きた。現在も増減を繰り返しながら生息しており、舞根の干潟で最も出現する二枚貝はアサリである。

コラム 

北海道から九州まで広く生息している。北では年1回の産卵で、南にいくほど産卵の回数が増える。宮城県北部は年1回産卵と考えられてきたが、近年は2回産卵になっていることも指摘されており、温暖化の影響が推察される。 

 東日本大震災で大地が70cmほど沈下したため、満潮時には海沿いの道路や住宅跡地が水没するようになった。そして、干潟化した陸地から無数のアサリ稚貝が見つかった。舞根湾のどこかに成貝が生き延びていて、放卵したのちに浮遊幼生が着底したのだろう。人工的な場所でも水環境が整えば生態系が加入することが実感され、汽水域再生に取り組むきっかけとなった。 

執筆者:千葉晋(東京農業大学 生物産業学部・教授) 

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