舞根地区 自然環境MAP
Moune Nature Map
キヌバリ
キヌバリ
Pterogobius elapoides (Günther, 1871)

写真1 キヌバリ(2011年11月,舞根湾森里海研究所前にて撮影).

写真2 キヌバリ(2012年7月,舞根湾口の牡蠣筏下にて撮影).
舞根のどこで見られるか
舞根湾内外の海藻が生えた岩礁域に多い.牡蠣筏の下でも多く見かける.
震災後の分布や生息の特徴
震災から半年後には爆発的に増え,圧倒的な多数の群れを形成していた.その後,捕食者となる魚が増えてくると数は減ってきた.
コラム
絹を張ったような美しさからこの名がついたとされる.東北と日本海沿岸に生息する本種は尾びれの付け根近くに7本目の横縞(体を横切る線)があるが,関東より西の太平洋沿岸の個体にはこれがない.幼魚や未成魚はホンダワラ類の海藻の茂る岩礁域の中層で群れを形成する.横縞は海藻へ隠れるのに役立つのだろう.成熟すると,海底近くで単独で見られることが多くなる.
執筆者:益田玲爾(京都大学 フィールド科学教育センター・教授