アサヒアナハゼ - 森は海の恋人

舞根もうね地区 自然環境MAP

Moune Nature Map

アサヒアナハゼ

アサヒアナハゼ
カジカ科アナハゼ属 Pseudoblennius cottoides

上:小型魚 下:稚魚

舞根のどこで見られるか

舞根湾内外の藻場(海藻・海草場)で見られる.

震災後の分布や生息の特徴

舞根湾奥では震災発生年や翌年には少なかったが,2013-2015年頃に多数の本種および本種に近縁なサラサカジカの稚魚が出現した.津波で流されたがれきや岩などにアカモク(ホンダワラ類の海草)などが密生したことと,震災後にスジハゼやニクハゼなど本種の餌となる小型魚類が増えたことが主要因と考えられる.その後,泥の堆積とともに湾奥では大型の海藻・海草類がほとんど見られなくなり,アサヒアナハゼやサラサカジカも少なくなった.震災前には舞根湾奥にアマモ(海草)の群落があったため,その頃にも本種は多かったと考えられる.

コラム

アナハゼという名前だが,ハゼの仲間ではなく,カジカ科である.10-12cm程度になり,口が大きく小型魚類や甲殻類などを食べる.雄には生殖突起があり,それを用いて交尾した後,雌は受精卵をホヤ類の体内に産みつけるという珍しい繁殖生態が知られている.

執筆者:中山耕至(京都大学農学研究科海洋生物増殖学分野・助教)

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