シロウオ - 森は海の恋人

舞根もうね地区 自然環境MAP

Moune Nature Map

シロウオ

ハゼ科シロウオ属
Leucopsarion petersii

左:産卵期のシロウオ成魚 右:東舞根川に遡上中のシロウオの群れ

舞根のどこで見られるか

5月頃に舞根湾から東・西舞根川に繁殖のため遡上してくるのが橋の上などから観察できる.遡上後に汽水域の浮き石をめくると,石に産みつけられた卵塊とそれを守る雄がよく見られる.

震災後の分布や生息の特徴

震災前の状況は不明だが,震災後も毎年遡上と産卵が確認されている.

コラム

全長5-6cm程度のハゼの仲間.体はほぼ透明で,鰾や骨が透けて見える.これは成魚でも仔魚(生まれて間もない子供の頃)の特徴を示していると言え,幼形進化の例とされる.同じように透明な「シラウオ」類と混同されることがあるが,シラウオ類はアユやワカサギに近い魚でグループが大きく異なる.

河川の下流で産卵し,生まれた仔魚は内湾に降って成長し,産卵期になると河川に遡上して繁殖後は死亡するという「遡河回遊」の生活史をもつ.このため,川と海とのつながりや,内湾の環境を保つことが本種にとっては重要である.各地で漁獲され食用にされるが,近年減少しており絶滅危惧種に選定されている.

執筆者:中山耕至(京都大学農学研究科海洋生物増殖学分野・助教)

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