まちづくり事業は、震災後に開始した事業のひとつです。
東日本大震災は、地域の自然にもコミュニティにも甚大な影響を及ぼしました。震災によって形成された湿地は、今、大変貴重な生物たちの宝庫となっています。我々は、防潮堤に頼らず、震災後に形成された自然環境を生かした安全で豊かなまちづくりを目指します。
『三陸新報』は、2012年7月7日付より「検証 防潮堤企画」と題し、堤防高の方針が決まった経緯や必要性をシリーズで検証しています。
2012年7月7日付の記事では、堤防高が決定された背景が中心に述べられています。国から100%の財政支援が受けられるのは、「3年以内の災害復旧」に限るという原則を踏まえ、県議会の議論中で村井義浩知事は「国の復興財源には限りがある。気仙沼だけ住民全員の合意を待ち、取り残されることがあってはならない。いま造らないと、どんな理由があっても造れなくなる。」と述べたと紹介されています。またこれに対し、畠山和純県議は、「浜によって事情が違うのに、同じ基準で整備することが大きな疑問だ。堤防を一度造れば、二度と元に戻せなくなる」として、現行の堤防計画を疑問視している旨が伝えられています。
【記事詳細】2012年7月7日付『三陸新報』1面
2012年6月7日、舞根2区は、気仙沼市長に対して防潮堤計画の撤廃を要請する要望書を提出しました。
市長は「失う財産が無い場合は造らない方向で検討する」という方針を示してくださいました。
概要は下記6月8日付各紙で報じられています。
【記事詳細】
2012年6月8日付『朝日新聞』29面
2012年6月8日付『三陸新報』1面
2012年6月8日付『河北新報』14面
2012年6月7日付『三陸新報』は、復興庁が各市町村の復興事業と工程表、本年度の成果目標などをまとめたとして、その概要を報じています。
本年度は、震災前と同じ高さで復旧する堤防、離岸堤をはじめ、気仙沼港と御崎港で本復旧工事に着手するとのこと。このほかの海岸堤防は来年9月までにすべて着工予定。
一方で、一部地域で「堤防が高すぎる」「見直してほしい」などの反対の声も上がっている旨報じられています。
【記事詳細】
2012年6月7日付『三陸新報』1面
【参考】気仙沼市民 機会少なく募る不満
2012年6月3日付『三陸新報』1面
5月28日、舞根2区で防潮堤に関する会合が開かれました。
会合には住民及び舞根2区の自然環境調査を行っている大学関係者が参加。防潮堤が地域にとって必要なのかどうかについて話し合われました。
話し合いの結果、自然豊かなこの地域を守り、自然環境に配慮した高台移転を進めるためにも、防潮堤は不要であるとの参加住民全員の意思が確認されました。またこれに伴い、行政に対して防潮堤建設計画の中止・撤廃を要請する要望書を提出するべく、要望書に添える住民署名を全員で記入しました。詳しい会議の様子は、下記「防潮堤会議報告」をご参照ください。
5月27日、気仙沼市主催による「まちづくり分科会」が開催されました。
防災集団移転及び災害公営住宅関連の進捗状況の報告、災害危険区域指定の方針、漁業集落事業に関する事業等が議題として挙げられました。詳しくは下記の資料をご参照ください。
【配布資料】
「まちづくり分科会」次第
集団移転促進事業及び災害公営住宅整備事業について
災害公営住宅の整備について / 想定家賃
気仙沼市災害危険区域の指定等について
漁業集落事業に係る進捗状況と今後の方針に関する資料
埋蔵文化財について
5月25日付『三陸新報』は、宮城県が新堤防の高さや完成後のイメージを公開したとして、気仙沼・本吉地方の各漁港における計画堤防高を掲載しました。
新堤防の高さは明治三陸級に備えるもので、これまでの堤防よりも大幅に高くなる見通し。気仙沼・本吉地方の海岸堤防で最も高くなるのは小泉海岸の14.7mと報じられています。
2012/5/25『三陸新報』1面
2012/5/25『三陸新報』3面
【参考】宮城県河川課ホームページ
東日本大震災に伴う津波被災の復旧方法・復旧予定等について
http://www.pref.miyagi.jp/kasen/higashinihon_fukkyu.html
※各河川・港の堤防完成イメージ等が公開されています。