我々が最も重視している活動が『人づくり』です。
自然環境に最も大きな影響をもたらすのは、そこに住んでいる人々の生活に他なりません。現代社会において自然に対する意識が気薄化していますが、それは都会でも地方でも同じことが言えます。こうした想いから、森は海の恋人では、多くの人々に自らの体験を通して自然に対してバランスのとれた感覚を養ってもらうためのプログラムを実施しています。
JICA草の根事業でフィリピンの研修員たちが舞根で研修に参加しました。
体験学習の実施の仕方や、環境調査の様子、プランクトン観察等のほか、実際に和船も操船してみたり、釣りに挑戦したりなど盛りだくさんのプログラム。少し疲れてしまうのではというこちらの心配をよそに、とても熱心に吸収していかれた姿が印象的でした。フィリピンではどのような環境教育が可能なのかなどを話し合う様子も見られ、収穫の多い研修となったようです。
現在、国際協力機構(JICA)の委託を受けて行われている環境意識の向上を目指したプロジェクト。5月25日から10日間の日程でシライ市教育委員会教育長、シライ市議会議員教育担当議長など5名の方にお越しいただきました。日本の環境教育の現状を理解していただくべく、教育現場を視察いただき、また森は海の恋人植樹祭や体験学習のフィールドを見学していただきました。「森と海の繋がりについて実感できた」という感想が聞かれ、今後のフィリピンでの事業の大きな一歩となったように思います。

本年(平成26年)1月より、フィリピンのネグロス島で環境意識の向上を目指したプロジェクトを開始することとなりました。本プロジェクトは、国際協力機構(JICA)の委託を受けて行われるもので、3年間にわたってフィリピンと日本で活動を展開する予定です。フィリピンの方々を年に2回気仙沼市に招待し、森と海、自然と人々の暮らしの繋がりなどについて学んでもらうほか、現地では京都大学、首都大学東京などの協力で環境調査を実施し、自然環境と生活について考えるワークショップも開催します。また現地の学校と共同で環境教育プログラムの構築を目指し、次世代を担う子どもたちに、自然と共生することの大切さを伝えられたらと考えています。
